行政書士試験突破塾

平成18年度行政書士試験合格者
K・A様(東京都)

1 これから紹介させていただく勉強方法は、通常いわれているものと異なっているところが多々あります。しかし、この勉強方法で私が行政書士試験に合格できたことは紛れもない事実です。
 来年、行政書士試験の受験をする方に少しでも参考になれば幸いです。

2 平成17年の行政書士試験に不合格となった私は、平成18年の試験に向けて自分の勉強方法を徹底的に見直しました。
 それまでの私は、普通の行政書士試験受験生がするようにテキストを読んで記憶する。そして、答練で自分の知らないところをチェックしてテキスト等に書き込み記憶する、というものでした。
 しかし、この勉強方法では法的思考力を問う近年の問題には対応できないのです。
 知っている問題はできるが、知らない問題がでるととたんに正答率が下がるのです。
 そして、何より次から次へと覚える事が増え、勉強が苦痛になるのです。
 そこで、枝葉が広がるこのような勉強を止め、行政書士の過去問から始まり過去問に終わる勉強に切り替えました。以下、その方法を紹介します。

3 インプットについて
 インプットについては、(特に法律初心者の方は)予備校をうまく使うととても有益です。あくまでも理解する事をメインにすることが大切です。
 皆さんが気になるのは、どこの予備校・通信教育が良いのか、どこのテキストが良いのか、と言う事かと思いますが、難易度の上昇に誠実に対応して、詳しい解説がなされているものであれば良いと思います。御自分のフィーリングに合うものを使うが一番だと思います。私は、突破塾通信講座の行政法を利用しました。そして地方自治法についてはテキスト・講義を利用していませんが、それでも行政書士試験に対応できたのは、過去問の徹底活用と憲法の92条以下の応用のおかげだと考えています。

  参考に他の科目で私の使ったものを挙げさせていただきます。
  憲法:芦部信喜著
  民法Ⅰ~Ⅳ:内田貴著
  商法(総則・商行為):有斐閣双書
  行政法:行政書士試験突破塾通信講座
  一般知識等:行政書士試験突破塾通信講座

4 アウトプットにつて
 アウトプットについてですが、私は予備校の答練は不要と考えます。それよりも、行政書士の過去問を徹底的に利用し尽くすことが大切だと思います。
 行政書士受験生は専業受験生は少ないと思います。仕事をしていたり、家事をしていたり、学生であったりと忙しい中で勉強をされている方が多数だと思います。そうすると、した方が良い事をやるより、やらなければならないことを先ずやる事だと思います。やらなければならないこと、は予備校の答練を受ける事ではなく、行政書士の過去問を徹底的に研究することです。
 このように書くと、過去問の肢を暗記する方がいますがそれは無意味です。なぜなら、同じ問題は二度と出題されないからです。毎年、新作の問題が出題されます。同じ問題は二度と出題されませんが、同じような問題は出題されます。ですから、行政書士試験の会場で新作の問題を見たときに動揺せず淡々と解答するための力を過去問を使って付けるのです。
 どのように行政書士の過去問を利用するのかですが、先ずその問題を解く為に本当に必要な知識は何なのかを捕らえる事です。例えば、正しいものを選べ、という問いの場合正しいものがとても難しい場合があります。しかし、逆に誤ったものが基本でそれを全部消去したら正しいものが残る、という事があります。この場合、試験委員は難しい正しいものを求めているのではなく、基本をきちんと判断できるのかをきいているといえます。誤りを選べ、と言う場合も同じことが言えると考えます。組み合わせ問題は、顕著にそのことがあてはまるといえます。
 このようにして行政書士試験の過去10年分の過去問をつぶしていくと、試験委員の求めているレベルが分かってきます。そうすれば、インプットも悪戯に手を拡げる事もなくなり、効率良く勉強できます。
 このようにして、アウトプットをしながら必要なインプットをして、それが完全に終了したら、問題の傾向が昔と変わったので、平成14年以降を年度別で解いて正答率9割8分以上になるまで過去問を解くべきです。解答を覚えてしまっているかもしれませんが、あくまで正解を出す思考過程をチェックしながら問題を解くことが大切です。
 ここまでやりつくして、他になにもすることがなければ予備校の答練を受けるのも良いと思います。ここまでやった後なら、行政書士試験問題の質の良さを実感できるでしょう。
 記述式問題についても同じだと思います。
 予備校の答練は結局定義とか判旨を暗記させるものばかりでした。私は記述についても予備校は使いませんでした。その代わり、普段の勉強を「なぜか、なぜか」と常に自分に問いかけながらしていました。「なぜこの制度が必要なのか」、「なぜ判例はこのような規範を立て、このような結論を出したのか」、「なぜこの効果を出す為に、この要件が必要とされるのか」等を考えながら勉強をしていました。おかげで行政書士試験の会場で記述式の問題を見たとき「ああ、考えさせる良い問題だな」と思う余裕がありました。
 また、このような考える勉強をしていると、記述だけでなく18年度行政書士試験の第五問のように物議をかもした(?)ような問題にも、きちんと考えて落ち着いて答えることができます。

5 一般知識について
 一般知識については、戦略が大切だと考えます。出題範囲が広い為、どこから手をつけたら良いのか分からなくなりがちです。
 一般知識は、予備校を活用すべきだと思います。
 私は、突破塾通信講座を利用しました。講義は分かりやすいですし、テキストも良くまとまっています。
 ただ、漫然と予備校を利用しただけではつかみどころがなく不安になると思います。私は先ず、文章理解を完全に解けるようにしました。文章理解は必ず出題されるからです。そうすることで、少なくとも(18年の場合)3点は確保できます。後はそこから何点かう上乗せできればよいのです。
 法令の実力があっても、一般知識で足きりされたのではもったいないです。上手く戦略を立ててください。

6 まとめ
 以上、私がとった行政書士試験の勉強方法を簡単に紹介させて頂きました。少しでも、お役に立てれば幸いです。
 兎に角、忘れてほしくないのは、以前と違い行政書士試験は覚えていれば合格できる試験ではなくなったということです。それは、行政書士が社会においてより責任ある役割を担うためでもあります。社会において責任が重くなれば、その有資格者に求められる力もそれに比例して高くなることは当然のことです。そのことをきちんと自覚してきちんとした勉強をすれば、行政書士試験に合格した後も力のある行政書士として活躍できると思います。
 最後まで読んでくださって、有難う御座いました。